イギリス人は、「ティータイム」を楽しむように「庭園」の中で人生を楽しむライフスタイルを大切にしています。
そのようなブリティッシュ・ライフスタイルの中から、78年前にこの「ナショナル・ガーデンズ・スキーム」という庭園福祉活動が生まれたのです。そう、庭園の中で幸せを感じながら、同時にその入園料を使って良いことをする、「ナショナル・ガーデンズ・スキーム」とは、こんなシンプルな福祉活動なのです。

1927年、「女王陛下の看護協会」のミス・エルジー・ワッグが、1人1シリングの入園料でプライベート・ガーデンを一般 公開し、その入園料の収益を「チャリティ」のための基金にするというすばらしい考えを思いつき、当時のガーデン・オーナー達に呼びかけました。
看護婦達を援助するというたった1つの「チャリティ」のために、ほんのわずかな数でしたが、ほとんどが大きな庭園から一般 公開をし始めました。このような慎ましやかな活動の始まりから今では、様々な大きさ、様々なスタイルの約3,500もの庭園から年170万ポンド以上(約3億6千万円)の収益を約12の大きな「チャリティ団体」等へ寄付する、国家制度とまさるとも劣らない大きな寄付慈善団体へと成長しました。

この活動に参加するために「ガーデンのスペシャリスト」にならなくてはならないのでしょうか? いいえ、全くそんな必要はありません。

The N.G.S.のガーデンは、確かに英国で最もすばらしい庭園が含まれています。(それらの多くは、とても珍しい手に入りにくい植物を低価格でしばしば提供しています。)
だからといって、ガーデンの専門家になる必要はないのです、つまり植物やガーデニングに関しての専門家になる必要はないのです。
「The N.G.S.のガーデン」という美しいそして気持ちが和む場所で、単に午後のひとときをみなさんで、楽しんでいただくだけで良いのです。
ときには、ガーデンを楽しみにくるというよりもガーデンの中で頂くホームメイドの「ティー」(紅茶と手作りビスケットやケーキ)を楽しみにガーデンを訪れる人々さえいるのです!
でも、あなたからの入園料(当時は1シリングでしたが、現在はたいてい2ポンド程度)が、「ガン基金」から「看護婦のための福祉」のために使われているというすばらしい目的を担っていることを決して忘れないでください。

イエローブック何千もの人々が毎年書店で目にする「イエローブック」は、最初のツバメが春をつれてくるように、春の訪れを知らせてくれます。
しかし、夏の目映いばかりの日差しの中の美しい庭園を導いてくれるのは確かに「イエローブック」だけなのです。
*Website Address: Url :http://www.ngs.org.uk/